Q「筋肉はどうして大きくなるか知ってますか?」
トレーニングしたからでしょう?
こんな答えが返ってきそうですね。これは半分正解ですが、半分間違いです。
実は、筋肉は休むからこそ大きくなるんです。
今回は知られざる「超回復」の世界をお伝えしていきましょう。
超回復ってなに?
超回復とはきつい負荷をかけることで、筋肉を微細に損傷させたり、極度に疲労させて、それを回復・修復させる過程で元の筋力より少し強くなる性質のことを言います。
超回復って筋肉が大きくなることなの?
いいえ、違います。
超回復とは体に負荷をかけて、機能を一時的に低下させて、それが回復した時にこれまで以上の機能を発揮できるようになる状態です。
なので、筋肉を肥大させるというのは超回復の 一部でしかないということです。
その他に持久系のトレーニングをすればより速く、より長く走れるようになることは経験上、想像できると思います。
しかし、持久系のトレーニングでは基本的に遅筋線維と言われる筋肥大に適していない筋繊維が働きます。なので筋肥大はしづらいのです。
持久系では筋肥大は狙いにくいですが、心肺機能だったり筋肉の持久力は向上していきます。
これも立派な超回復なのです。
超回復に必要な時間には個人差がある?
もちろん、あります。
筋トレを行なった後にはアミノ酸を取り込み、筋肉の再合成が始まっています。アミノ酸はタンパク質を分解した最小単位です。
タンパク質を分解し、アミノ酸を髪や爪、筋肉へと必要に応じて配給します。筋肉で取り込まれたアミノ酸は筋肉組織の設計図(生まれた時から体に備わったもの)に基づき合成されていきます。
これには24時間〜48時間かかります。
運動強度が強ければ修復に時間がかかるし、疲労にも個人差があって当たり前です。
同じ箇所の筋トレをするのであれば、期間を空けないと修復が追いつかず、ただただ筋肉を傷めつけてしまうことになってしまいます。
つまり2〜3日間隔でトレーニングを行いましょう。
筋肉痛がなければ筋肥大しない?
意外とそうではないんです。
筋トレをしていると「痛みこそ正義」だったり「ノーペイン・ノーゲイン」という考えが浸透していることに気づきます。
しかし筋トレは同じ負荷をかけて、やり続けていくと筋適応と言って、痛みは軽減されていくが筋肥大は起こるという現象が現れ始めます。
ここで何が言えるのかというと、筋肥大に筋肉痛は必須ではないということです。
怖いのが、トレーニング効果=筋肉痛と捉えてしまうと、痛みが出ないから期間を空けずに、さらに追い込もうとしてしまいます。
これをやってしまうと本格的なケガにつながりかねません。ケガすれば長期中断は免れません。
そうすれば筋肉は落ち、元のサイズに逆戻りで本末転倒な結果に・・・
実際にそういった指導をされるトレーナーさんもいるので疑いの気持ちも大切です。
気をつけましょう!
低強度のトレーニングでは超回復しない?
これは断じてノーです!
筋肉は速筋線維と遅筋線維と言われる2つの線維でできています。
このうち速筋線が筋肥大しやすいわけですが、この線維が働くのが瞬発的な動きであったり、高重量で筋トレを行なった場合です。
ここで筋肥大=高重量という間違った理論を成り立たせてしまう人が多いわけです。
しかし、低重量でも回数を増やし、インターバルを短くして、しっかりと追い込んであげれば速筋線維が助けに入ってくれます。この仕組みを使えば超回復で筋肥大がしっかりと狙えます。
トレーニングは一度やめたら一からやり直しなの?
筋トレを正しく行なって、超回復もして、たくましい体を手に入れても、事情があってやれなくなることって絶対あると思います。
私もその経験者で4ヶ月くらいやらない時期がありました。(厳密にいうとこれが数回ありました)
するとみるみる筋肉が落ちてくるのがわかりました。しかし私はそこまで落胆していませんでした。
全く筋トレをしたことがない人が筋トレを初めても3ヶ月は体に大きな変化は現れません。しかし筋トレ経験者は1ヶ月足らずで分かりやすく変化するんです。
これは完全に解明されているものではないのですが、「マッスルメモリー」と言われるものがあり、数年は体が筋肉のつきやすい状態を覚えているというのです。なので、筋肉の修復スピードが早まっているから筋肥大もしやすいと考えられています。
まとめ
筋トレには期間を空けることが必須なのはわかっていただけたでしょうか?ちなみに毎日筋トレをしているトレーニーももちろんいます。
この人たちは間違いなく、鍛える場所を毎日変えてローテーションさせています。間違っても同じ筋肉を毎日追い込むようなことはしないでください。
筋トレにはまだまだ、解明されていない部分も多々あります。
しかし、先人たちの積み重ねや実験により、より効果的に、より安全な筋トレの方法が確立されてきていることは間違いありません。
せっかくやるからには効率的に、かつケガなくできる方法を学んでください。
この記事があなたのトレーニングライフの手助けになれれば幸いです。
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